令和3年度東京都立大学編入体験談
こんにちは。くまです。
自己紹介はこちら↓(時間のある方は是非。)
今回は、令和3年度東京都立大学システムデザイン学部航空宇宙システム工学科(来年から進学予定)の編入試験に合格したので体験談を書いていきたいと思います。
はじめに
例年なら、東京農工大学と東京都立大学は同じ日程で行われるのですが、コロナで東京都立大学のみ延期となり、両方受けることが出来ました。
この件にだけは、コロナに感謝
東京都立大学について
令和2年から大学の名前が首都大学東京から東京都立大学に変わりました。
なので、編入の情報を集めるときは、めんどくさかったです。(笑)
都立大か首都大どっちで検索したらええねん、
冗談はここまでにして、東京都立大学は、字の如く都立の大学で、キャンパスは大きく分けて日野キャンパス、荒川キャンパス、南大沢キャンパスの3つあります。
日野キャンパス-システムデザイン学部3.4年生
荒川キャンパス-健康福祉学部生
南大沢キャンパス-上記以外の学生(メインキャンパス)
って感じです。
都立なので、国立大学並みに研究予算が出ることもあり、国際交流などにも力を入れているみたいです。
また、航空宇宙系の学部がある数少ない大学です。
場所は、八王子付近にあり、東京駅までは1時間ぐらいかかります。
ほぼ神奈川県との県境です。
全然、東京ちゃうやんけ!
システムデザイン学部について
まず、キャンパスは日野キャンパスです。
クッソ綺麗でカッコイイ...
3年次編入なので、メインの南大沢キャンパスに行くことはまずありません。
「情報科学科」、「電子情報システム工学科」、「機械システム工学科」、「航空宇宙システム工学科」、「インダストリアルアート学科」の5学科からなり、最近この組織に変わったそうです。
最近、色々な変更が多く、期待されているのかもしれません。(ワクワク)
しかし、編入に対してあまり関心がないのか、毎年のシステムデザイン学部の合格者数は15~20人と非常に少ないです。
(1学科2~5人の合格者)
受験者数も他大に比べて少なく、システムデザイン学部全体で60人程度だったと思います。(倍率3~4倍)
機械システム工学科だけ受験者数20人ぐらいで他学科より倍率が高い印象です。
東大、東工大、東北大、筑波大の滑り止めになりやすいことも都立大編入の特徴です。
第一志望で考えている人は注意しましょう。
しかし、今年はコロナで東大、東工大などの合格発表の後に都立大の試験があったため、合格した人は受験を辞退していました。(空席がいくつかあった)
推薦入試も行われているのですが、受験資格が東京都立産技高専の学生のみです。
さすがは都立大、神戸出身の私に推薦の受験資格はありませんでした。
まあしゃーない
ホテルは八王子駅の近くのサンホテル八王子に泊まりました。
朝ごはんも美味しく、部屋も普通のビジネスホテルだったので良かったです。
学校までは、バスで行くのが一番いいと思います。
バスは乗り場が多いので、必ず前日に下見に行きましょう。
当日、安心して試験会場に入ることができます。
電車は、罠です。
豊田駅からは徒歩で20~30分かかります。
夏にスーツで行くと汗だくになって試験どころではありません。
あと,北八王子駅への電車は30分に一本とかなので、一本逃すと死にます。
どの編入試験にも言えることでもう一度言いますが、下見には行きましょう。
本番のイメージがつき、心の余裕ができるのと当日慌てなくて済みます。
試験前日は、新幹線で1時間とホテルで解いたことのある過去問2年分をサラッとやって、自信をつけていました。
知らない過去問などに手を付けると解けなかったときに不安になり、寝れなくなるのが怖かったので、知っているものしか持っていきませんでした。
それでも、これで編入試験が最後だったので、緊張したり、色々思い出して、なかなか寝付けませんでした。
布団に入って2時間ぐらいでやっと寝れました。
不安になる気持ちは分かりますが、夜遅くまで勉強せずに早めに布団にもぐりましょう。(10時半~11時には寝ようとした方がいいと思う...)
寝ていなくても、目を閉じている間も疲れは取れているらしいので...
試験開始時刻が遅いので、朝はゆっくりできます。
それでも、試験会場には早めに行きましょう。
何があるか分かりませんしね。
試験科目
東京都立大学は1日で、数学、物理、面接があります。
なので,長期的な集中力が必要です。
普段の勉強から意識していれば楽だと思います。
さらに,数学、物理は各60分と短めなので、急いで解かなければ間に合いません。
日頃から時間を測りながら過去問をするのがオススメ。
人によりますが、当日緊張して計算ミスが多くなると思うので、時間は余るぐらいがちょうどいいです。
筆記試験と面談が同じ日にあるので、スーツで筆記試験を受けないといけないのも少しネック。
英語の試験の代わりにTOEICの提出があり、私は450点を提出しました。
これでも合格するので、TOEICが低くても諦めずに数学、物理で挽回してやりましょう。
おそらく、TOEICはダントツで最下位だと思います。
試験内容
数学
数学は、大問が5題あり、その内3題を選択します。
例年の傾向は、行列、ベクトル、微分、積分、微分方程式、の5題です。
さらに、この中から数学的帰納法を使う問題が毎年出ていました。
問題1:行列(選択せず)
(1)3×3行列の逆行列を求める
パッと見、簡単そう
(2)色々やって必要十分条件を表す
めんどくさそう
(2)に時間がかかりそうだったので、大問ごと捨てました。
問題2:線形代数(選択せず)
(1)ベクトルABとベクトルACの角度を求める。
(2)三角形ABCの面積を求める。
(3)四面体OABCの体積を求める。
簡単そうでしたが、余座標に√が入っていて計算がめんどくさそうだったので、大問ごと捨てました。他が難しいそうなら選択する予定でした。
問題3:微分(7~9割)
(1)関数zの偏導関数dz/dx、dz/dyを求める。
(2)関数zについて、b×dz/dx=a×dz/dyの証明
計算するだけ
(3)関数uについてラプラシアンの証明
ラプラシアンをど忘れしてしまい、何となくで解きました。
問題4:積分(10割)
CnとSnが与えられている。
(1)C0とS0を求める。
n=0を代入し、計算するだけ
(2)CnをSn-1を用いて表す。
(3)SnをCn-1を用いて表す。
数学的帰納法を使って表す。
(4)S3を求める。
(2)(3)を使って解く。n=3まで気合で解くこともできるが時間が無くなる(罠)
これは自信をもって完答しました。
問題5:微分方程式(10割)
yとpが与えられている。
(1)p,p',xの関係を表す。
(2)p,p'について解く
(3)yをxで表す。
最後にlogxの積分になったので、多分あっていると思います。
時間ギリギリでしたが、前日にlogxの積分をやっていて答えを覚えていたので計算手順を省いて、間に合いました。(心臓に悪い...)
今年も例年通り出題されたので落ち着いて解くことができました。
(それでも時間ギリギリ、本番って怖いね)
試験一週間前に微分、積分、微分方程式を選択すると決めていたので落ち着けたのだと思います。
選択する問題を決めていても、一応全部解けるようにはしておきましょう。
選ぶ予定の大門が激ムズで解けなかったときに詰みます。
行列は、計算自体は簡単なのですが、時間がかかり、計算が多いので、1時間で3題を解かなければならない都立大の試験では愚策だと思い選択しませんでした。
あと、農工大の行列で爆死したトラウマもありました。
選択する場合は早く正しく解く技術が必須です。
数学は、初めにすべての問題に目を通して選ぶ問題を決めてから解き始めるといいです。
落ち着いて解くこともできますし、簡単な問題をしているときにぱっと見でわからない問題の解法を頭の片隅で探ることも出来ます。
一週間前に先輩に数学的帰納法とベクトルを教えてもらい、当日の試験は上出来でした。
数学は、9~10割ぐらいだと思います。
比較的簡単だったので、差は出なかったと思います。
物理
昼食を挟んで物理です。
物理は力学と電磁気の2題の出題で、例年通りでした。
力学は小問が1つで電磁気は小問が2つです。
過去問の傾向は、力学は簡単で、電磁気は難しい印象です。
私の得意不得意もあると思いますが…
力学(10割)
先端に重りを付けた棒が回転運動しながら落ちるのを糸で引っ張り静止させる問題です。
説明が下手ですみません。
力学は完答しました。
電磁気(3割)
小問1:円形のコンデンサの問題とアンペールの法則を用いて求める。
電磁気は苦手だったので、5割ぐらいの出来でした。
小問2:2枚の電極の電位と電界をポアソンの方程式を用いて求める。
ポアソンの方程式が何かわからなかったので、真っ白でした。0割。
力学で気持ちよくなっていると、電磁気で絶望しました。
電磁気がすぐ終わったので(出来なさ過ぎて)、力学の見直しをしていました。
物理は全体で6~7割ぐらいだと思います。
数学で差ができなかった分、ここで引き離す予定が崩れました。
TOEICも低いし、これは厳しいか…と思いました。
面接
試験が終わり、一息つきながら面接で話す内容を確認していると、高専生が10人ぐらい入ってきました。
推薦入試(都立高専)の人は、ここから受験に参加するようです。
航空宇宙システム工学科は学力6人、推薦3人でした。
順番は、推薦の人から始まって、学力の受験番号順でした。
学力の人からいきなり始まることはなさそう...(よかったね!)
私は、後ろから2番目だったので、2時間ぐらい待ちました。
すんごい退屈だった…
漫画でも持って行った方が良かったかも知れません。
スマホは出すなって言われたしなぁ
正直、2時間も話す内容の確認してたら頭がおかしくなります。
3人前までぼーっとしといて,そこから確認とかで大丈夫だと思います。
気分転換にトイレに行くのがオススメです。
面接内容(10割)
- 志望動機
- うちのどんな機械に惹かれたの?(志望動機で言ったことを本当に知っているか疑われた?)
- 併願校について
- TOEICの点が低いけど…
- 大学院には進学するのか?
- 最近、気になった航空宇宙ニュースは?
- ってことは、材料の研究室に興味があるのかな?
他にもいろいろ質問されたと思うのですが、忘れてしまいました。
都立大は答えに対して、深く掘ってくる事が多いので、浅はかな解答は墓穴を掘るとこになります。
なので、志望動機を短くまとめて、「何でも質問してきなさい!」(失礼)というスタンスでいきました。(喋りすぎると墓穴を掘る可能性があったので...)
TOEICの質問は来ると思っていたので、コロナでのTOEICの中止の言い訳とこれから頑張る趣旨を伝えると納得してもらえました。
面接では、今がダメでもこれからどうするかが大事です。
しっかり、これから頑張ることを伝えましょう。
航空宇宙ニュースは想定していなかったので、焦りましたがパッと浮かんだ航空機部材の複合材(CFRPなど)について話しました。
すると、私は流体や設計の研究に興味があったのですが、「材料系に興味があるんだね!」と勘違いされてしましました。
しかし、訂正する気力が残っておらず、最後は「早くこの質問終わってくれ!」と思って「はい!」と答えてしまいました。
研究室配属のときに、謝っておくか...
これで面接が終わりです。
2対1で10分ぐらいで和やかな雰囲気でした。
他の人は15分ぐらいだったので、「あれ、もう終わっていいの?」と思いました。
終わりに
合格でした!
正直、電磁気で爆死したので、電気科の人がいたら落ちてるかなーと思っていました。
番号を見つけたときは、嬉しすぎて泣きました。
家族に連絡して、休日だったのですが学校にも行って、担任に直接報告しました。
お世話になった先輩にも会って、たくさんお礼もしました。
たくさんの人に支えられて、お世話になりました。
令和3年度システムデザイン学部航空宇宙システム工学科の合格者は
学力入試:1名/6名
推薦入試:1名/3名
でした。
例年は東大、東工大の滑り止めにされるので、多めに取ってくれますが、今年は東大東工大の合格発表後に都立大の編入試験があったので、合格者が少なかったのだと思います。
筑波大の滑り止めにする人もいたかな?
空席があったので、出願だけして本命に合格したので辞退したのだと思います。
東京都立大学は、施設も綺麗で、研究も熱心に行われている(と思う)ので、とてもいい大学だと思います。
(まだ入っていないので分かりませんが……)
編入では,マイナーな大学だと思うので、気になる方はチェックしてみるのをオススメします。
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では。
【追記】(2022年6月19日)
過去問は実家で保管しているので、渡せないです。
また、都立大では過去2年分なら資料請求出来ます。HPで調べてみてください。
解答はありませんが、周りの編入生や先生と一緒に解いてみると理解が深まると思います。(僕の解答が100%正しいというわけでもないと思いますし...)
こちらの体験談も是非↓